タイトルとイラストにつられて買いました。作者はウクライナのロシア語作家。
約20カ国で翻訳されているらしい。日本語訳もうまくてすらすらと読める。
憂鬱症のペンギンと暮らす売れない短編小説家の話。
まだ生きている政治家など有名人の追悼記事をあらかじめ書くという仕事を
新聞社から頼まれるが、その人物らが次々と死んでいく。
とりたててミステリー仕立ての話ではなく、日常を淡々と記述している。
登場人物は新聞の編集長、友達の警察官、預かることになった小さな女の子、
ベビーシッターをしてくれる警察官の従姉妹、ペンギンに詳しい老人など。
不条理、生きることの悲しさとともに優しい気持ちにも満ちています。
なんとなく村上春樹と似た感じ。
この小説のキモはやはりなんといってもペンギンの存在。
ペンギンを飼ってみたくなりました。飼えないけど。